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最近、ホテル、温泉、老人ホーム等で問題になっているレジオネラ属菌は、本来環境細菌であり、湿った土壌、池や沼、湖、河川などの淡水に生息しています。人工的な環境の中で一番関わりが強いのがビルや工場等の空調用冷却塔水です。その他に、ため水、家庭や業務用(工場、病院など)の給湯器、修景用水(公園、噴水)循環式浴槽(24時間風呂)、雑用水(トイレや車両の洗浄水)シャワーの溜り水、プール、温泉、飲料水などに生息し、病院内では冷却塔,給湯設備,浴槽(24時間風呂)、シャワー,酸素吸入器等の水に生息します。菌の長さは2〜20ミク口ン、幅0.3〜0.9ミクロン程度の円筒形の細長い菌です。一般的に菌が増殖に必要な温度は20℃〜50℃と言われており、死滅の温度は70℃以上といわれております。レジオネラ属菌は栄養源の有機物がある、スライムやバイオフィルム(生物膜)などに生息し、他の細菌や藻類等から必要な栄養分を吸収して増殖します。 |
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各設備に関しては、平成11年11月に当時の厚生省生活衛生局監修による『新版レジオネラ症防止指針』が発行され、その中でレジオネラ属菌については、人がエアロゾルを直接吸引する可能性が低い水においては100CFU/100mL、人がエアロゾルを直接吸引する恐れのある水では10CFU/100mL未満(不検出)という値が設定されています。
また、特に公衆浴場等に関しては、平成15年2月に厚生労働省より衛生等管理要領等の改正が出され、原水や原湯、浴槽水の水質基準で10CFU/100mL未満(不検出)という値が設定されました。
これらの指針に基づき、各自治体においてレジオネラ属菌に対する管理・指導が行われています。 |
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肺炎型(レジオネラ肺炎)主症状は、悪寒、高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛。呼吸器系症状は痰の少ない咳、少量の粘性痰、胸痛、呼吸困難。その他の症状としては腹痛、吐き気、下痢、意識障害、歩行障害。熱性疾患型(ポンテイアック熱)主症状は発熱、寒気、筋肉痛。感染するかは菌数だけでなく、エアロゾルの発生量とそれによって飛散するレジオネラ属菌の数、エアロゾルの 吸入量、吸入した人の健康状態や免疫力等が関係します。 |
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各施設や設備によっては異なりますが、一番良い方法は原因であるレジオネラ属菌を完全に除去する事ですが、レジオネラ属菌は自然界に広く生息している為、完全に除去することは不可能です。レジオネラ属菌に現実的で有効な対策は、@ 感染源となり得る各施設・設備等を定期的に滅菌消毒・清掃をして、レジオネラ属菌の増殖場所となっているバイオフィルムを除去及び付着防止を行う。(濾過器・連日使用型循環式浴槽の場合は1週間に1回以上実地)A定期的に検査を行い、目標(基準)を持って維持管理に取り組む事。(弊社でも検査は取り扱っておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。) |
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過酸化水素滅菌法・塩素滅菌法・二酸化塩素滅菌法・紫外線滅菌法・オゾン滅菌法・ 高温滅菌法等があります。それぞれの方法には長所と短所があり、各施設や設備・ 使用状況や水質によって異なります。
※ レジオネラ属菌に関する事故等を起こさない為に、レジオネラ属菌に対する正しい知識を持ち、対処の仕方を日常の管理に取り入れ、常に危険性を理解しておく事が重要です。 |
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